軸受の内部すきまとは、取付前の軸受で一方の輪を固定し、もう一方の輪をラジアル方向またはアキシアル方向へ動かしたときの移動量です。内部すきまが適切でないと、運転中の発熱、振動、音、回転抵抗、寿命に影響します。608のような小形深溝玉軸受でも、寸法が同じだから同じすきまでよいとは限りません。
ラジアルすきまとアキシアル方向の動き
ラジアル内部すきまは、内輪と外輪の中心を横方向にずらしたときの移動量です。アキシアル方向の動きは、輪を軸方向へ動かしたときに現れます。深溝玉軸受では両者に関係がありますが、同じ数値ではありません。図面や検査票を読むときは、どちらを測定した値か確認してください。
C2、CN、C3の考え方
CNは標準的な内部すきま区分、C2はそれより小さい区分、C3は大きい区分です。さらに大きい区分としてC4やC5があります。大きな記号ほど常に高性能という意味ではありません。
- しまりばめが強いと、取付後の内部すきまは小さくなります。
- 内輪が外輪より高温になると、運転中のすきまは小さくなる傾向があります。
- すきまが小さすぎると、発熱や焼付きの原因になります。
- すきまが大きすぎると、振動、音、荷重分布に影響する場合があります。
内部すきま区分を詳しく比較する場合は、軸受すきまC3の意味と選び方も確認してください。
608軸受で確認する項目
608の基本寸法は内径8 mm、外径22 mm、幅7 mmですが、シール、精度、材料、すきま、グリースは製品ごとに異なります。置換時は608という基本番号だけでなく、ZZ、2RS、C3などの後置記号まで照合します。
測定では荷重のかけ方、測定方向、温度、測定器の接触位置をそろえる必要があります。手で揺らした感覚だけでは、小さなすきま差を正確に判定できません。
選定時に伝える情報
見積もりや置換確認では、完全な型番、内径・外径・幅、シール形式、すきま区分、回転数、荷重、温度、軸とハウジングのはめあいを伝えてください。現用品に発熱や異音がある場合は、取付後に症状が出るまでの時間と測定温度も有効な判断材料になります。