高速軸受とは、高い回転速度で生じる発熱、潤滑剤の挙動、遠心力、保持器の安定性、内部すきまの変化に対応できるように選定された軸受です。特別な一種類を指す名称ではなく、用途に合う形式、精度、材質、潤滑、取付を組み合わせた結果です。
高速は RPM だけでは決まらない
小さな軸受と大きな軸受が同じ RPM で回っても、転動体の移動速度と発熱は異なります。評価には、代表径と回転数を組み合わせた dmn や Dpw x n のような速度係数が使われることがあります。
したがって「10,000 RPM なら高速軸受が必要」という一律の線引きはできません。軸受寸法、荷重、運転時間、温度、潤滑方法を一緒に見ます。
基準速度と許容回転速度
基準速度は、標準条件での熱的な目安として扱われます。許容回転速度は、保持器、シール、潤滑、材料などの機械的な限界を含む目安です。実際の運転条件が標準条件と異なる場合は、そのまま最高値として使わないでください。
形式の比較
一般モーターやファンでは深溝玉軸受、高い軸方向剛性が必要な主軸ではアンギュラ玉軸受、大径でラジアル荷重が大きい場合はころ軸受を検討します。電食や転動体質量を抑えたい場合はハイブリッドセラミックも候補になります。
高速モーターに絞った選び方は高速モーター用玉軸受で説明しています。
発熱を抑える確認項目
- グリースの種類と封入量
- 油潤滑の場合の供給方法と排油
- シール接触による抵抗
- 内部すきまと予圧
- 軸とハウジングのはめあい
- 芯ずれ、振れ、バランス
- 冷却と周囲温度
調達時に伝える情報
型番、寸法、連続回転数、最高回転数、荷重、温度、潤滑方法、シール、すきま、精度、運転時間を伝えます。既存品が過熱した場合は、交換前後の温度、グリース状態、音、損傷位置も記録してください。