スラスト軸受は、軸に沿って作用するアキシアル荷重を支え、軸方向の移動を制御するために使われます。選定では製品名から入るより、力がどこから入り、どの方向へ伝わり、どの部品が受けるかを確認するほうが確実です。
荷重方向を確認する
一方向の荷重だけを受けるのか、両方向なのか、運転中に反転するのかを確認します。一方向形を逆向きに組むと荷重を正しく受けられません。両方向を受ける場合は、複式または対向配置が必要になることがあります。
主な形式
| 形式 | 特徴 | 確認点 |
|---|---|---|
| スラスト玉軸受 | 比較的滑らかに回転し、アキシアル荷重を受ける | 高速、衝撃、芯ずれに注意 |
| 針状ころスラスト軸受 | 断面を薄くしやすい | 相手面を軌道面に使えるか確認 |
| 円筒ころスラスト軸受 | 大きなアキシアル荷重を受けやすい | 速度、潤滑、取付精度を確認 |
| 自動調心ころスラスト軸受 | 大荷重と限定的な調心性 | 構造、潤滑、軸方向スペース |
深溝玉軸受で限定的なアキシアル荷重を受ける場合との違いは、深溝玉軸受とアキシアル荷重で確認できます。
軌道面と取付
スラスト軸受では、軸側座金とハウジング側座金を正しく識別します。針状ころ形式で座金を省く場合は、相手面に必要な硬さ、平面度、表面粗さがあるかを確認します。肩部が傾いていると荷重が片側へ集中します。
速度と潤滑
速度が上がると、保持器、転動体、潤滑剤の発熱が増えます。グリースか油か、連続運転か間欠運転か、周囲温度と冷却状態を確認します。カタログ上の速度だけでなく、実機での温度安定も重要です。
見積もり前の確認項目
- 型番、内径、外径、高さ
- 荷重の大きさと方向
- 一方向、両方向、反転の有無
- 回転速度と運転時間
- 軸・ハウジング肩部の形状
- 潤滑方法、温度、汚れ
- 数量と交換理由
分解品の写真だけでなく、軸にどちら向きの力がかかるかを簡単な図で示すと、形式選定の誤りを減らせます。