基本動定格荷重Cと基本静定格荷重C0は、同じ単位で表示されますが、評価する損傷が異なります。Cは回転中の疲労寿命を検討する基準、C0は停止中や低速時の強い荷重による永久変形を検討する基準です。数値の大きい方だけを見て軸受を選ぶことはできません。
基本動定格荷重C
Cは、一定条件で回転する軸受の定格疲労寿命を計算するための基準値です。実際のラジアル荷重とアキシアル荷重は、軸受形式に応じた等価動荷重Pへ換算され、C/Pの関係からL10寿命を検討します。
寿命計算は重要ですが、潤滑不足、汚染、芯ずれ、取付損傷、材料疲労以外の故障を自動的に防ぐものではありません。計算上の寿命が十分でも、実機条件が悪ければ早期故障することがあります。
基本静定格荷重C0
C0は、転動体と軌道面の接触部に永久変形が生じる可能性を評価する基準です。停止中の荷重、低速での重荷重、衝撃、振動、組立荷重などでは静的評価が重要になります。
等価静荷重P0とC0から静的安全率を確認します。許容する変形や振動、用途の重要度によって必要な余裕は変わるため、一律の値をすべての機械へ適用しないでください。
どちらを使うか
- 連続回転し、疲労寿命が主な課題なら
CとPを確認します。 - 停止中に大きな荷重を受けるなら
C0とP0を確認します。 - 衝撃荷重がある用途では、動的評価と静的評価の両方が必要です。
- 往復運動やごく低速の揺動では、潤滑状態と接触損傷も重視します。
よくある誤解
CやC0は、その荷重までなら無条件に使用できる最大使用荷重ではありません。また、カタログ値は実機の軸剛性、ハウジング変形、取付誤差、温度、汚染を含みません。荷重方向が変わる場合や複数の軸受で荷重を分担する場合は、実際の荷重配分を確認します。
選定に必要な情報
型番、寸法、ラジアル荷重、アキシアル荷重、衝撃の有無、回転数、運転時間、必要寿命、温度、潤滑、取付姿勢を整理します。故障品の置換では、損傷位置と運転履歴も提供してください。