海洋設備では、海水への直接浸漬だけでなく、塩分を含む飛沫、結露、高湿度、洗浄、長い停止期間が腐食を促進します。ステンレス軸受を選ぶときは「ステンレスだからさびない」と考えず、材料、硬さ、荷重、シール、潤滑、周辺部品を一つの系として確認します。
使用環境を分類する
まず、軸受が海水へ浸るのか、飛沫を受けるのか、塩分を含む湿気だけにさらされるのかを区別します。運転中に温度が上がり、停止時に結露する装置では、シール内部へ水分が残る場合があります。
洗浄剤や薬品が使われる場合は、その濃度、温度、接触時間も確認します。海洋環境という名称だけで材料を決めることはできません。
材料の選び方
高炭素系ステンレスは、軸受に必要な硬さと耐摩耗性を得やすい一方、すべての塩水条件に万能ではありません。AISI 304やAISI 316系は耐食性を重視する用途で検討されますが、荷重能力、硬さ、構造を確認する必要があります。
腐食性が高い場合は、セラミック転動体や樹脂部品を含む構成も候補になります。ただし、衝撃荷重、剛性、温度、相手材との適合性を評価してください。
シールと潤滑
接触シールは水分や異物の侵入を抑えやすい一方、摩擦と発熱が増える場合があります。シールリップの材質、軸表面、圧力差、洗浄方向を確認します。
グリースには、耐水性、耐食性、使用温度、速度への適合が必要です。過剰な封入や異なるグリースの混合は避け、再給脂が必要な装置では排出経路も設けます。
周辺部品の腐食
軸受だけをステンレスにしても、軸、ハウジング、止め輪、ボルトが腐食すれば機能は維持できません。異種金属が電解質を介して接触すると、電食が進む可能性もあります。排水、乾燥、表面処理、絶縁の必要性を検討します。
問い合わせ時の情報
型番、寸法、荷重、回転数、温度、海水との接触状態、洗浄剤、シール、潤滑、軸とハウジングの材質、数量を伝えてください。腐食した現用品がある場合は、損傷位置、運転時間、停止期間が分かる写真も役立ちます。