440Cと420はどちらもマルテンサイト系ステンレスに分類され、軸受では硬さ、耐摩耗性、耐食性のバランスを見て選びます。一般に、440Cは高い硬さを得やすく、精密玉軸受や摩耗を重視する用途で検討されます。420は加工性やコスト、用途条件とのバランスから選ばれることがあります。
ただし、どちらも「錆びない材料」ではありません。水分、塩分、洗浄液、温度、潤滑、保管状態によって腐食は起こります。海水、薬液、強い洗浄環境では、材質だけでなくシール、グリース、保管、洗浄後の乾燥も確認してください。
比較の見方
| 項目 | 440C | 420 |
|---|---|---|
| 硬さ | 高硬度仕様で使われることが多い | 条件により調整しやすい |
| 耐摩耗性 | 転がり接触で有利な場合がある | 一般用途で候補になる |
| 耐食性 | ステンレスだが環境確認が必要 | 同じく環境確認が必要 |
| 磁性 | 磁性あり | 磁性あり |
| 用途判断 | 精度、摩耗、回転条件を重視 | コストと使用環境のバランスを重視 |
材質だけで判断しない
早期錆、異音、回転不良が起きている場合、材質だけが原因とは限りません。グリースの選定、シール形式、結露、洗浄後の水残り、包装、輸送中の防錆、軸やハウジングの状態も影響します。
同じ型番でも、材料、熱処理、表面状態、内部すきま、シールによって使用感は変わります。置換時は刻印だけでなく、寸法、材質指定、シール、数量、使用環境をまとめて確認するほうが安全です。
見積もり時に伝える情報
RFQでは、型番、寸法、数量、440Cまたは420の指定理由、水分や塩分の有無、洗浄条件、温度、回転速度、荷重方向、シール形式を伝えてください。必要に応じて、使用後の破損写真や錆の位置も判断材料になります。